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今月読んだのは、枡野俊明さんの『小さな悟り』。

「悟り」と聞くと、なんだか遠い世界の話に感じます。
でもこの本の「悟り」は、もっと身近なもの。
日々の暮らしの中で、心を整えるための“小さな気づき”が、短い言葉でまとめられています。

読みながら、いちばん残ったのが「諸行無常」という考え方でした。
すべては変わり続ける。
変化は止められない。

だから、変わらないように踏ん張って苦しくなるより、
「変わるのが普通」と受け入れていくほうが、心がラクになる。
ページをめくりながら、ふっと呼吸が深くなりました。

もう一つの柱は、「いま」に集中すること。
過去は変えられない。
でも「いま」なら、まだ選べる。

将来を決めるのは“過去の積み重ね”じゃなくて、“いまの積み重ね”。
静かな言葉なのに、背中を押される感じがありました。

福祉の現場でも、状況はいつも動いています。
段取りを整えたつもりでも、体調や気分、環境の変化で予定が崩れることは珍しくありません。

以前の私は、計画どおりに進まないと焦って、
その焦りが伝わって、さらに空回りすることがありました。

でも「無常」を前提にすると、少し見え方が変わります。
崩れるのが普通。
だから崩れたら、目の前の“いま”に合わせて立て直せばいい。

そう思えるだけで、気持ちが少しラクになりました。

この本を読んで、私の中に残った言葉はこれです。

「やれるだけのことを、やる——人生というのは、それでいい」

不安なときほど、“いま”できることを一つだけ。
相手の話を遮らずに聴く。
確認を丁寧にする。
今日できる範囲を見極める。

小さな実践の積み重ねが、結果的に支援の安定につながっていく。
そんなふうに思いました。

そして、私の小さなルールをひとつ。
焦ったら、まず深呼吸して「いま何が起きているか」を見直す。

「小さな悟り」とは、特別なことじゃなくて、
当たり前のことを当たり前にやること。

日々の仕事と生活に、そっと効いてくる一冊でした。