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最後の防波堤

5歳の女の子が、送迎の車から職員の自宅に連れ込まれた。 信頼していた「先生」だから、泣かなかった。そのお母さんの言葉が、ずっと頭に残っている。

日本版DBSが始まるらしい。でも前科のない初犯はすり抜ける。成人の障害福祉サービスは対象外のまそうだ。 じゃあ、どうするのか。

密室を作らない、2人体制にする、カメラをつける。頭ではわかっている。でも人手不足でギリギリの現場にいると、その正論が空虚に聞こえる。システムには限界があって、悪意はルールをすり抜ける。

考えた末に行き着いたのは、教育という地道な答えだった。

でも正直に言う。わたしはまだ、それをできていない。 成人の障害者を支援してきたから、という言い訳もある。でも本当は、どこから手をつければいいのか、まだわかっていない部分もある。

それでも、言わなあかんと思った。

支援する側が、境界線を踏み越える小さな違和感に気づける組織であること。支援される側が、嫌なことを嫌だと言える場所であること。 誰かの悪意から身を守る最後の防波堤は、システムじゃなくて、人の内側に育てるしかない。

できてないけど、そう思いながら、今日もこの仕事と向き合っている。